いびきは脳卒中や心疾患など重篤な病気を引き起こす原因となり、命に関わる危険性があります。
この記事では、いびきとその治療について以下の内容を知ることができます。
・どんないびきに治療が必要なのか
・いびきの代表的な治療法である「CPAP療法」について
・CPAP療法をより効果的にするためのポイント
この記事でいびきやその治療について知り、健康を守りましょう!
いびきの先にある睡眠時無呼吸症候群。確立されたCPAP療法
いびきは放置すると重篤な合併症を引き起こすことがあります。
ここでは治療が必要な病気である「睡眠時無呼吸症候群」と、その代表的な治療である「CPAP治療」について紹介します。
いびきにはCPAPによる治療が必要な場合がある
いびきには治療が必要なものと、治療が必要でないものがあります。
たまにいびきをかく程度であれば心配ないことが多いのですが、慢性的に続くいびきやいびきに続く無呼吸(呼吸が止まる)がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため早めに検査を行うことが必要です。
睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に気道が狭くなったり、完全に閉じてしまったりすることで、睡眠中に低呼吸(呼吸が弱い)や無呼吸(呼吸が止まる)を繰り返す病気です。
睡眠時無呼吸症候群は重篤な合併症を引き起こします。
睡眠中の酸素不足は身体にとって大きなストレスとなり、繰り返しストレスを受けることで血圧や血糖値などが高くなります。
また動脈硬化が進み、更に進行すると脳卒中や狭心症・心筋梗塞など命に関わる病気を発症する可能性があります。
呼吸が不安定になることで睡眠が分断され、睡眠の質が低下するため日中に強い眠気や疲労感を起こす可能性も高まります。
そのため睡眠時無呼吸症候群は治療が必要であり、その治療の中で最も確立されているのがCPAP療法です。
CPAPがいびきを防止するメカニズム
CPAP療法とは、睡眠中に専用の医療機器から気道に一定圧の空気を送り続け、気道が狭くなるのを防止する治療法です。
気道がしっかり開いた状態を保つことでいびきや睡眠中の酸素不足を防ぎ、身体への悪影響を予防します。
呼吸が安定するため、良質な睡眠を取り戻すことができます。
CPAPでいびきは治るのか?
CPAP治療の効果の範囲や注意点について解説します。
いびき、睡眠時無呼吸症候群に対してCPAP治療は有効な治療であり、多くの医療機関で採用されている治療です。
CPAPはいびきの対症療法
CPAP療法はいびきの根治治療ではなく、対症療法です。
CPAP療法を行うことで、いびきや睡眠時無呼吸症候群が完治するわけではありません。CPAPによって睡眠中の呼吸の乱れを改善します。
しかし、CPAPを行わなければいびきや睡眠時のいびきが無呼吸は元に戻りやすく、自己判断でCPAPを中止することは危険ですので注意しましょう。
CPAPによる不快な症状がある場合は、病院やクリニックに早めに相談しましょう。
CPAPでいびき治療に期待できる効果
CPAPによっていびきや無呼吸が改善することで、以下のような変化が期待できます。
・よく眠れるようになり、睡眠による疲労回復ができるようになる
・日中の眠気がなくなり、仕事などの活動に集中できるようになる
・夜中に何度も起きることがなくなる
・脳卒中、狭心症・心筋梗塞のリスクの低下
・血圧や血糖値などの改善
CPAP療法は個人によって効果を実感するまでの時間が異なります。
いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療は継続して行う必要があり、CPAPをストレスなく効果的に使い続けられることが大切です。
上手く使えなかったり、不快な症状がある場合などは早めにかかりつけ医に相談しましょう。
CPAPで注意するポイント
CPAPは睡眠時無呼吸症候群の合併症を予防するため、ストレスなく、快適に継続することが大切です。
例えば以下のようなトラブルと感じることがあれば、早めにかかりつけ医に相談して解決しましょう。
・CPAPが気になってよく眠れない
・マスクなどに接した部分の皮膚のかゆみ
・鼻や耳の痛み
・目の乾燥・かゆみ・痛み
・口や喉の乾燥
CPAP療法を始めてからも、疲労感が取れない、日中の眠気に変化がない場合は使い方や設定に問題があるかもしれません。
自己判断せずに必ず相談し、快適に良質な睡眠がとれるようにしましょう。
いびきの治療には生活習慣の見直しや睡眠グッズの利用も効果的
CPAP療法と併せて行うと効果的な生活習慣や、睡眠の質を上げるためのグッズを紹介します。
肥満がある場合にはCPAP治療と並行して減量すると効果的
肥満がある場合は、減量によりいびきや睡眠時の無呼吸を改善できる可能性があります。
舌やのど周辺の脂肪が減り、気道の広さを保ちやすくなるためです。
減量だけで睡眠時無呼吸症候群を治療するのは難しい場合が多いのですが、CPAP療法と併せて減量を進めることでより治療効果が上がります。
質の良い睡眠をとるための工夫
減量のほかにも以下のような生活習慣の工夫で、CPAP療法の効果をより大きくすることができます。
・寝る前の飲酒を止める:飲酒は筋肉を緩めるため、睡眠時無呼吸を悪化させやすいです。
・禁煙する:タバコは鼻粘膜の炎症を引き起こし、鼻詰まりを発生させて睡眠時無呼吸を悪化させます。
・横向きで寝る:上向きで寝ると、重力で気道がより狭くなります。横向きで寝た方が気道が狭くなりにくいです。
・鼻づまりなどがある場合には耳鼻科を受診し鼻の通りを良くする:鼻の通りが悪いと口呼吸になりやすく、口呼吸は気道を狭くする原因となります。スムーズに鼻呼吸をできるようにすることが大切です。
・入浴は就寝1~2時間前にぬるめ(39~40度)のお湯に15~20分程度つかる:副交感神経を優位にして寝付きやすくなります。
・日中に軽い運動をする:ウォーキングなどの有酸素運動による適度な疲労で寝付きやすいです。
睡眠グッズの活用
様々な睡眠グッズが販売されています。
自分に合った睡眠グッズが見つかれば、睡眠の質を上げることに役立ちます。
アイマスク、ホットアイマスク
就寝時はできるだけ暗い室内の方が睡眠の質には良いと言われています。
室内を真っ暗にできなくても、アイマスクを使うことで近い状態を作ることができます。
また、ホットアイマスクなら同時にリラックス効果も得られるでしょう。
※CPAPのマスクの形状によってはアイマスクの装着が難しい場合もあります。
抱き枕
横向きで寝る際に抱き枕があると体が安定しやすく、リラックスして寝ることができます。
湯たんぽ、電気あんか
足が冷えていると寝つきが悪くなります。
特に冷え性の人は足を温めて寝ましょう。
※低温火傷に注意してください。
アロマオイル
ラベンダー、ベルガモット、オレンジなどが質の良い睡眠をもたらすと言われています。
好みに合った香りを使いましょう。
ハーブティー
安眠におすすめのハーブティーはカモミール、オレンジフラワー、ローズ、ラベンダーなどです。
就寝前に飲むことで、リラックスできるため質の良い睡眠をとる助けになります。
※アロマオイルやハーブティーは、アレルギー体質の方は注意しましょう。
また、妊娠中・授乳中の方は必ず主治医の許可をとってから使いましょう。
まとめ
「たかが、いびき」と考えがちですが、実はいびきは放置すると重篤な病気に繋がる可能性があります。
早期に治療を開始しすることで睡眠時無呼吸症候群から引き起こされる様々な合併症を防ぐことが可能です。
CPAPは睡眠時無呼吸症候群による重篤な合併症や事故の予防のための、とても効果的な治療法と言えます。
使い始めは様々な違和感があるかもしれませんが、かかりつけ医と相談しながらトラブルは早期に解決し、継続して使い続けることがとても大切です。
いびきを治療して、生活習慣も整えながら、より効果的に治療を進めましょう。
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