日中に我慢できないほど眠い方必見!眠気の原因と対策は?

日中に我慢できないほど眠い方必見!眠気の原因と対策は?

「前日たくさん寝たはずなのに、なぜか日中我慢できないほど眠い!」

「読書やテレビを見ても10分もしないうちに眠くなってしまう」

このような症状にお悩みの方も少なくないのではないでしょうか?

日中に生じる我慢できないほどの眠気は過眠症状と呼ばれ、過眠症状を引き起こす原因の中には早急に医療機関を受診すべき疾患もあります。

また、日常生活や仕事に支障を来すだけでなく、転落や転倒、交通事故など重大な事故を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

今回の記事を読むことで、過眠症状に対して以下のような知識を得ることができます。

 ・過眠症状の原因となる疾患が分かる

 ・日中の眠気をスッキリさせる方法をご紹介

 ・過眠症状の原因が睡眠障害であった時の対策が分かる

眠気が解消すれば日中の生活や仕事にもハリが生まれ、睡眠の質も向上します。

過眠症状を解消して、心地よい睡眠と元気な毎日を手に入れましょう!

日中に我慢できないほど眠い原因とは?

日中に我慢できないほど眠い原因とは?

結論から言えば、日中に我慢できないほど眠くなってしまう原因は、睡眠不足などの​​日常生活における問題、他の睡眠の病気の一症状、中枢性過眠症の3つに分類されます。

下表をご参照ください。

分類原因
日常生活における問題睡眠不足睡眠不足症候群、長時間睡眠者
睡眠の質の低下睡眠に適さない音、光、温度、湿度、寝具など
睡眠に悪影響な薬剤アルコール、カフェイン、抗アレルギー薬、睡眠薬など
他の睡眠の病気の一症状身体疾患脳血管疾患、頭部外傷、全身性炎症疾患、甲状腺機能低下症、貧血など
精神疾患不安、抑うつ気分、うつ病、気分障害、双極性障害など
睡眠障害睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害など
概日リズム睡眠・覚醒障害交代制勤務、睡眠・覚醒障害後退型など
過眠が主たる症状中枢性過眠症ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症など
【参考】恩腸財団済生会

例えば、単純な睡眠時間の不足や睡眠の質の低下であれば、ご自身でも原因に気付きやすいかもしれません。

しかし、日中の眠気の原因の中には、うつ病や甲状腺機能低下症、脳血管障害、睡眠時無呼吸症候群などによって出現する過眠症状や、中枢性過眠症による過眠症状もあります。

具体的には、ご自身の過眠症状の強さや頻度、持続時間、睡眠時間の長さや質、時間帯のパターン、日常的に摂取している薬剤、身体や心に関わる病、眠気以外の病気に伴う症状(随伴症状)などの情報をしっかりと評価していく必要があります。

これらの情報をもとに、過眠症状の原因を上記3つの分類から考えていきます。

睡眠不足や睡眠の質の低下

睡眠不足や睡眠の質の低下など、日常生活に問題がある場合にも過眠症状を来たします。

具体的な原因としては、慢性的な睡眠不足不規則な長時間睡眠騒音や部屋の光高温多湿で劣悪な就寝環境サイズのフィットしない寝具の使用睡眠に悪影響な薬剤の使用(アルコール、カフェイン、抗アレルギー薬、睡眠薬など)が挙げられます。

このようなケースでは、ご自身でも過眠症状の原因に気付きやすいため、比較的簡単に対策も取れることが多いです。

上記のような心当たりがある人は、ご自身の睡眠を今一度見直すことをおすすめします。

睡眠相後退症候群

睡眠相後退症候群とは、その名の通り就寝時間と起床時間が後ろにずれ込んでいく病気です。

1日が24時間であるのに対し、人間の体内には25時間周期の体内時計(概日リズム)が存在しているため、本来であれば毎日1時間ずつ睡眠時間はずれ込んでいきます。

しかし、朝食や通学、通勤などのルーティンワークによる、日中の光刺激などによってサーカディアンリズムが24時間周期に自動修正されていくため、実際には毎日同じような時間に寝て、同じような時間に起床することができるのです。

この概日リズムが乱れてしまうと、睡眠が早まる、もしくは遅くなってしまい、結果的に日中に強い眠気を来すようになります。

例えば、深夜にスマートフォンやPCなどのブルーライト(青空の光)を見る機会が多いと、光刺激によって概日リズムが乱れ、睡眠相後退症候群になり、就寝時間や起床時間が遅くなります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は過眠症状を引き起こす代表的な疾患の1つです。

睡眠中に舌根が落ちてしまうなどで気道が狭窄することで、睡眠中の呼吸が弱まる、もしくは一時的に止まってしまうため、脳や身体が持続的な低酸素状態に陥ってしまう病気です。

持続的な低酸素状態は脳にストレス(刺激)を与え、睡眠の質を低下させてしまうため、日中の過眠症状を引き起こします。

また、睡眠時無呼吸症候群を放置してしまうと、長期間の低酸素状態によるストレスで高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクまで増加してしまうため、早期の治療が必要となる病気です。

ナルコレプシー

ナルコレプシーは中枢性過眠症の1つであり、脳の中の覚醒と睡眠を調節するバランス機構がうまく働かなくなることで過眠症状を引き起こします。

1000〜2000人に1人が罹患すると言われ、10代での発症が多い病気です。

病態としては、目を覚まし続ける役割を持っているヒポクレチンあるいはオレキシンといわれるタンパク質を作り出すことができなくなることで過眠症状を引き起こすと言われています。

ナルコレプシーの患者さんは、普通の状況であれば眠るような状況でない状況下でも眠り込んでしまう睡眠発作を繰り返し、そのまま10~30分ほど居眠りが続きます。

また、笑い、怒り、悲しみ、驚きなど、強い感情の変化が生じたときに、突然全身の筋肉が脱力する情動脱力発作を伴うこともあります。

うつ病

うつ病はストレスの多い現代社会で増加傾向にある病気の1つです。

脳の中の神経伝達物質が減ってしまうことで、気分が落ち込んでしまったり、食欲や性欲などの意欲減退、睡眠障害など様々な精神症状を来す疾患です。

睡眠障害においては、一般的に不眠になる(眠れなくなる)と思われがちですが、人によっては過眠傾向を示すこともあります。

PMS(月経前症候群)

PMS(Premenstrual Syndrome)とは、月経周期に伴う女性ホルモンの変動によって月経開始の3〜10日前に様々な精神症状や身体症状が生じる病気です。

月経が開始すると症状が軽快または消失する特徴があります。

過眠症状として、年に1回以上、強い眠気が2日以上続くときはPMSに伴う睡眠障害を疑います。

薬剤性

日常的に摂取している薬剤によっても、日中に過眠症状を引き起こす事があります。

具体的には、アルコール、ニコチン、カフェイン、抗アレルギー薬、睡眠薬などが挙げられます。

疑わしい薬剤がある場合は、減量や中止をおすすめします。

仕事中の耐えられない眠気に対する対策法

仕事中の耐えられない眠気に対する対策法

日中の過眠症状の原因は多岐に渡り、その原因によっても対策や対応は異なります。

単なる寝不足であれば睡眠時間を補うことで、比較的簡単に解決できますが、睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシー、うつ病などが背景にある場合、治療に時間がかかってしまうため、すぐに眠気がなくなる訳ではありません。

そんな中、仕事中に耐えられないほどの眠気が襲ってきた場合、どのように行動すればいいのでしょうか?

ここでは、急な眠気に襲われた時の対処法について解説させて頂きます。

カフェインの摂取

コーヒーやお茶などに含まれるカフェインには、眠気覚ましの効果が期待できます。

カフェインの効果として、神経を鎮静させ眠気を誘発する物質「アデノシン」の効果を阻害する事が知られています。

このアデノシンの効果を阻害する事で眠気を減退させる効果が期待できます。

しかし、就寝前のカフェイン摂取は逆に不眠を誘発してしまい、過眠症状を悪化させてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

また、カフェインの過剰摂取は心拍数増加や興奮などの中毒症状を引き起こすため、1日200〜400mgを目安に摂取することをおすすめします。

部屋の換気

部屋の換気による空気の入れ替えも、眠気覚ましの効果が期待できます。

室内の空気が換気されないと、人の呼気から排出される二酸化炭素が徐々に充満していき、高濃度の二酸化炭素により脳の血管が拡張し、頭痛や嘔気、倦怠感が生じて眠気が誘発されます。

そのため、適度な換気を行い空気を入れ替えることで、眠気を抑える事ができます。

生活習慣の改善

睡眠時間の不足、睡眠の質の低下、睡眠に影響する薬剤の使用などによって過眠症状を引き起こしている場合は、生活習慣の改善によって眠気を抑える効果が期待できます。

具体的には、睡眠時間の確保、影響のある薬剤の中止などが挙げられます。

健康に良かれと思い習慣化している運動や半身浴も、就寝直前に行うとかえって睡眠の質を落としてしまうため、注意が必要です。

就寝前のカフェイン・アルコールの摂取や、喫煙も控えるべきです。

睡眠環境の改善

より良い睡眠を得るためには睡眠環境が非常に重要です。

具体的には、睡眠中の騒音や光刺激、不適切な湿度や温度、体に合わない寝具の使用などが挙げられます。

睡眠の質を低下させる原因になってしまうため、改めてご自身の睡眠環境を見直してみてください。

日中の眠気の原因が睡眠障害である時の対策

睡眠不足など日常生活上の問題による過眠症状であればご自身で改善可能ですが、日中の眠気の原因が睡眠障害である場合は取るべき対策も変わってきます。

睡眠障害が背景にある場合、ご自身の努力だけで過眠症状を改善させることは困難であり、専門の医療機関で治療を行う必要があるためです。

また、早期に発見しなければ症状が進行し、転落や転倒、場合によっては交通事故などを引き起こしてしまう可能性もあります。

そこで、ここでは睡眠障害が背景にある場合の過眠症状に対する対策について解説していきます。

睡眠障害についてセルフチェック

過眠症状にお悩みの方は、まず簡易的なセルフチェックで危険度を評価することをおすすめします。

ここでは、ナルコレプシーなどの評価によく用いられるエップワース眠気尺度(ESS)をご紹介します。

眠ってしまう状況絶対にない時々あるよくある大体いつも
座って本を読んでいるとき0123
テレビを見ているとき0123
人の大勢いる場所でじっと座っているとき(会議や映画館など)0123
他の人が運転する車に乗せてもらっていて、1時間くらい休憩なしでずっと乗っているとき0123
午後じっと横になって休んでいるとき0123
座って人とおしゃべりしているとき0123
お昼ご飯のあとに静かに座っているとき0123
自分が車を運転していて、数分間信号待ちをしているとき0123
合計得点が11点以上の場合はナルコレプシーの危険性が高い
【参考】日本睡眠学会

セルフチェックによって、ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群などの疾患の可能性が高いと評価された場合、専門の医療機関への受診をおすすめします。

専門の医療機関への受診

上記のセルフチェックでナルコレプシーを強く疑う場合や、そうでなくても過眠症状にお悩みの方は専門の医療機関へ受診することをおすすめします。

過眠症は日常生活や仕事に支障を来すだけでなく、場合によっては大事故を引き起こしてしまう可能性もあるため、周囲の人を守るためにもしっかりと精査すべきです。

また、過眠症状を来す疾患には脳血管障害やうつ病、睡眠時無呼吸症候群など早期に治療が必要となる疾患も多く、中枢性過眠症であった場合には専門的な検査や治療が必要になるため、自己判断せず医療機関へ受診するようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、日中に我慢できないほどの眠気を感じる方へ向けて原因や対策について解説しました。

中には睡眠時無呼吸症候群やうつ病、ナルコレプシーなどの中枢性過眠症など、早期に治療しなければさらなる健康被害を引き起こす病気の可能性もあるため、注意が必要です。

これらの疾患の診断や治療には睡眠簡易検査・精密検査などの実施が必要であり医療機関への受診が必要になるため、お悩みの方は医療機関への受診をおすすめします。

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