危険ないびきは放置厳禁!命に関わる危険ないびきを知って自分と家族を守る

危険ないびきは放置厳禁!命に関わる危険ないびきを知って自分と家族を守る

 いびきの中には、生命に関わる危険な種類があることを知っていますか?

ここではそんな危険ないびきについて、主に以下の内容を説明しています。

・生命に関わる危険ないびきとその特徴

・危険ないびきを放置するとどうなってしまうのか

・危険なのはいびきをかいている本人だけではない

いびきは治療ができます。

この記事を読んで危険ないびきについて知り、治療や生活改善に繋げて健康寿命を延ばしましょう! 

生命に関わる二つの危険ないびき

危険ないびき

いびきの中には生命に関わる非常に危険なものがあります。

ここでは、生命に関わるいびきである、①脳卒中・脳梗塞によるいびき、②睡眠時無呼吸症候群によるいびきについて説明します。

危険ないびき①脳卒中・脳梗塞を起こしているときのいびき

生命に関わるいびきの一つ目は、脳卒中・脳梗塞を起こしているときのいびきです。

脳卒中とは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称です。

脳梗塞は、脳の血管が詰まることで脳に酸素と栄養が行き届かず、脳細胞の一部が死んでしまいます。

脳出血やクモ膜下出血は脳や脳の周り(脳を包んでいる「くも膜」という膜と脳の間)の血管が破れることで、周囲の脳細胞が死んでしまいます。

脳卒中によって身体障害や言語障害など重篤な障害が残ることが多く、生命にも関わる病気です。

脳卒中・脳梗塞を発症した際に、意識障害を起こし喉周辺の筋肉が気道に落ち込むことでいびきをかくことがあります。

遭遇することは稀ですが、いつもとは違う、大きないびきが確認される場合は、脳卒中・脳梗塞を起こしている可能性があり、生命に関わるため、意識などを確認して、普段と様子が違うようであれば、ただちに救急外来を受診することが重要です。

危険ないびき②睡眠時無呼吸症候群によるいびき

生命に関わるいびきの二つ目は、「睡眠時無呼吸症候群」によるいびきです。

睡眠時無呼吸症候群とは、「睡眠中に10秒以上の無呼吸(呼吸が止まる)や低呼吸(呼吸が弱くなる)が、1時間に5回以上繰り返される状態」を言います。

無呼吸や低呼吸が繰り返されることで、睡眠中の低酸素状態が毎晩のように繰り返されます。

体は毎晩続く低酸素によるストレスで、高血圧、脂質異常、高血糖、動脈硬化などの生活習慣病を発症しやすくなります。

そして生活習慣病は脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞など生命に関わる病気のハイリスクであり、最悪の場合それらの病気による突然死に至ります。

危険ないびき③睡眠時無呼吸症候群による寝不足・睡眠の質低下

睡眠時無呼吸症候群によって低酸素状態を繰り返すと、睡眠の質は著しく低下します。

眠っている間に「レム睡眠(浅い睡眠)」と「ノンレム睡眠(深い睡眠)」という二種類の睡眠を繰り返すことで、体と脳は休むことができます。

しかし睡眠時無呼吸症候群では、ノンレム睡眠(深い睡眠)が減ってしまいレム睡眠(浅い睡眠)ばかりになってしまうため熟睡ができません。

熟睡できない日が続くと日中に非常に強い眠気に襲われ、事故を起こす可能性が高くなります。

睡眠時無呼吸症候群によるいびきは、脳卒中や事故によって命に関わるため、非常に危険です。

脳卒中・脳梗塞によるいびきの特徴

ここでは、脳卒中・脳梗塞を起こしているときのいびきについて説明します。

これらの特徴を併せ持ついびきをかいているときは、緊急事態です。

一刻も早く救急車を呼ぶ判断ができるよう、特徴をよく理解しましょう。

危険ないびきの特徴① 刺激を与えても起きない

脳卒中・脳梗塞を起こしているときは、起こそうとして声をかけたり体に触れたりするなどの刺激を与えても、起きない、または反応がおかしいことが特徴です。

いびきをかいていると「よく寝ている」と思われがちですが、それは熟睡ではなく、脳卒中・脳梗塞によって意識障害を起こしている可能性があります。

刺激を与えても反応が無い、または反応があっても普段と異なる、おかしいと感じる状態であれば、脳卒中・脳梗塞を疑うことを思い出しましょう。

危険ないびきの特徴② 体全体が痙攣している

脳卒中・脳梗塞を発症した際には、いびきだけでなく身体の全部、または一部が痙攣することがあります。

単なる睡眠に伴ういびきで痙攣を起こすことはありません。

いびきに伴う痙攣としては、呼吸イベントを契機にてんかん発作が発症することがあります。

寝ているのではなく、脳卒中・脳梗塞によって痙攣を伴う意識障害を起こしている可能性が考えられます。

危険ないびきの特徴③ チェーンストーク呼吸が起こっている

チェーンストークス呼吸とは、以下のようなサイクルの呼吸が30秒~2分程度のサイクルで繰り返される呼吸です。

脳卒中などにより脳の呼吸中枢が影響を受けることで起こるため、異常事態です。

①   無呼吸(数秒~数十秒)
②   浅い呼吸が始まり、徐々に深い呼吸になっていく
③   再び徐々に浅い呼吸になる
④   再度、無呼吸になる(数秒~数十秒)

気道が塞がることで起こる睡眠時無呼吸症候群と似ていますが、無呼吸→浅い呼吸→深い呼吸→無呼吸というように徐々に変化していくことが特徴的です。

おかしいと感じたら、すぐに救急車を呼びましょう。
参考:チェーンストーク呼吸

睡眠時無呼吸症候群のいびきの特徴

睡眠時無呼吸症候群による危険ないびき

睡眠時無呼吸症候群のいびきの特徴を挙げていきます。

以下の項目について指摘を受けたり、パートナーが以下のような危険ないびきをしている場合には睡眠時無呼吸症候群の可能性を疑いましょう。

危険ないびきの特徴④ いびきの音がなくなり呼吸が止まることがある

睡眠時無呼吸症候群のいびきは急に静かになることがあります。

いびきをしている間は、気道は狭くなっており呼吸が乱れた状態です。

その中で急にいびきの音がしなくなったときは、気道が完全に塞がり呼吸が止まっている可能性があります。

無呼吸の時間は数秒~数十秒程度であることが多く、苦しくなって起きたり、「グワッ」「ガガッ」など大きな音を出してまたいびきを繰り返します。

危険ないびきの特徴⑤ 夜から朝まで慢性的ないびきが続く

睡眠時無呼吸症候群のいびきは一晩中続きます。

短時間、短期間のいびきであれば、低酸素状態になっている時間も短いためリスクはそこまで高くありません。

しかし、睡眠時無呼吸症候群では肥満や生まれつきなどにより喉の形態そのものが狭く、その上睡眠中は筋肉が弛緩してより気道が狭くなるので、「ずっといびきをかいている」状態になります。

低酸素状態によるストレスが大きくなることで、脳卒中や心筋梗塞など合併症のリスクが高くなるため、とても危険です。

危険ないびきの特徴⑥ 日中の眠気や倦怠感

睡眠時無呼吸症候群では睡眠中の低酸素状態が毎日続くため、日中の眠気や倦怠感に襲われます。

例えば、鼻詰まりがあってよく眠れなかった、という場合も翌日は眠気や倦怠感に襲われるかもしれません。
しかし、治療をするなどして鼻づまりが解消すればいびきもなく良く眠れるようになり、睡眠不足を解消することができます。

反対に、睡眠時無呼吸症候群では喉の形態的な狭さが原因になることが多く、いびきは慢性的に続きます。
睡眠時間は十分であっても浅い睡眠しか取れていない状態が継続するため、日中の眠気や倦怠感も慢性的に続くことになります。

危険ないびきの見分け方

危険ないびきの見分け方

ここでは、脳卒中を起こしているときのいびきや、睡眠時無呼吸症候群のいびきのメカニズムを知ることで、危険ないびきを見分けられるようになりましょう。

睡眠時無呼吸症候群のいびきのメカニズム

睡眠時無呼吸症候群では、喉が形態的に狭くなっていることでいびきを引き起こします。

睡眠時無呼吸症候群ではない人でも、仰向けになれば重力で気道は狭くなります。

入眠すれば、全身の筋肉が緩むため気道は更に狭くなります。

健康な人は、

健康な人は、それでも空気が通るのに十分な気道の広さを維持できますが喉に脂肪が多いなど起きているときから気道が狭いと、睡眠によって更に狭くなります。

そして、呼吸をしたときに空気がかなり狭くなった通り道を通ろうとし、気道の壁にぶつかって壁が揺れ、その振動音としていびきが聞こえるのです。

気道が狭い原因は、以下のようなものが考えられます。

・肥満によりのどの周囲に脂肪が多くついている

・咽頭扁桃(アデノイド)や口蓋扁桃が大きい

・首が太くて短い

・顎が小さい、後退している

また、特にノンレム睡眠(深い睡眠)では筋肉が一層弛緩し狭かった気道が完全に閉じてしまうと無呼吸になり、いびきの音も消えます。

危険ないびきを放置すると

危険ないびきを放置すると

危険ないびきは放置すると命に関わります。
場合によっては救急車が必要になることもあります。

睡眠時無呼吸症候群のいびきを放置すると

睡眠時無呼吸症候群のいびきを放置すると、最悪の場合は突然死に繋がることがあります。

睡眠時無呼吸症候群では、いびきをかいているときの低呼吸と急にいびきが止まったときの無呼吸によって、睡眠中は低酸素状態になります。

そしてその低酸素状態が一晩中、毎日続くため、体が受けるストレスは相当なものです。

そのストレスによって、高血圧や糖尿病などの生活習慣病となり、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)や心疾患(狭心症・心筋梗塞・不整脈)を引き起こすことがあります。

これらの病気によって最悪の場合は突然死に繋がることもあるため、睡眠時無呼吸症候群のいびきは放置せず治療することが大切です。

いびきは一緒に寝ている人にとっても危険です

いびきは一緒に寝ている人にとっても危険です

いびきは、いびきをかいている本人だけでなく一緒に寝ている人にとっても危険な場合があります。

睡眠時無呼吸症候群のいびきは毎日続くため、いびきをかいている人と寝ているパートナーは、慢性的な寝不足になりやすいのです。

そして慢性的な睡眠の質の低下は、以下のような影響が出ることがあります。

・生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)の発症

・うつ、認知症などの精神疾患

・免疫力低下

・ホルモンの乱れから食欲が増し、肥満になる

・頭痛

・日中の眠気や集中力、作業効率の低下、ケアレスミスの増加

特に生活習慣病からは脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や狭心症、心筋梗塞に繋がる可能性があり、命に関わります。

また、日中の強い眠気は事故を引き起こす危険もあります。

睡眠時無呼吸症候群は、いびきをかいている本人だけでなくそのパートナーのためにも早急な治療が必要なのです。

そしてパートナーも受診し、生活習慣病などを発症していないか診てもらうことをお勧めします。

いびきの危険度は自己判断せずに早期治療を

いびきの危険度は自己判断せずに早期治療を

「でも自分のいびきはきっと大丈夫」

「このくらいのいびきでそんな重い病気にはならないだろう」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あなたの体にとっていびきがどの程度影響しているのかは専門医に相談してみないとわかりません。

もしいびきをかいていると言われることがあるのならば、自己判断せずにまずは受診することが大切です。

睡眠時無呼吸症候群は治療可能な病気です。

生命に関わる事態になる前に、早期治療を進めましょう。

まとめ

いびきは深刻な病気や、最悪の場合は命に関わることがお分かりいただけたと思います。

 「たかがいびき」と考えられがちですが、実はいびきは体からの危険のサインなのです。

睡眠時無呼吸症候群は治療できる病気です。

治療することで、脳卒中や狭心症・心筋梗塞など命に関わる病気の発症可能性を下げることができます。

人生100年時代の今、健康寿命を延ばすことは私たちの大きな課題です。

体のちょっとした気づきを軽視せず、必要ならば治療していくことで大きな病気を予防し、年齢を重ねても快適に過ごせる体を守っていきましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です