緊張型頭痛

緊張型頭痛は、慢性的な頭痛として頻度の高いものであると考えられています。

頭を締め付けられるような頭痛があり、30分程度で頭痛がおさまることもあれば、長いときには1週間程度持続することもあります。

緊張型頭痛は、頭痛の性状のみからは片頭痛との鑑別が困難な場合があり、治療薬に対しての反応性や経過を含めて両者を区別します。

緊張型頭痛の多くは、鎮痛薬の内服やストレスマネジメントで対応が可能ですが、なかには強い頭痛が継続する場合もあり日常生活に支障をきたすこともあります。

 

原因

原因は、完全には明らかになっていない部分が多いです。

緊張型頭痛は頭が締め付けられるような頭痛を生じますが、神経が発症基盤にあることが示唆されています。

具体的には、中枢神経の交感神経系が過剰にはたらいており、頭蓋骨周囲に存在する筋肉の一部に対しての血流障害が基盤にあると考えられています。

また、頭痛を誘発するようないくつかの危険因子の存在も報告されています。

代表的なのは身体的・精神的なストレスです。具体的には、長時間のデスクワーク、PCやスマホの長時間使用、普段の姿勢不良などの身体的ストレスや、仕事での負荷や、人間関係から生じる精神的なストレスなどが挙げられます。

 

症状

緊張型頭痛の特徴として、頭痛がダラダラと毎日続くことが挙げられます。

頭痛は数十分でおさまることがある一方、1週間ほど持続する場合もあります。

歩行や階段の上り下りなどの日常動作で痛みが増悪緩解することはありません。頭痛は特に誘因なく始まり、後頭部を中心として側頭部や首にかけて痛み出します。

緊張型頭痛は精神的・肉体的なストレスが原因となることから、ストレスが蓄積しやすい夕方に痛みが生じることが多いです。

同じく頭痛がおこる病気として片頭痛があります。典型的な片頭痛では、発作前に目の前がチカチカする、頭痛の性状も締め付けられるというよりは拍動性にズキンズキンと痛むというものです。

典型的なものであれば、緊張型頭痛と片頭痛を区別することは可能ですが、典型例ばかりではなく、両者を鑑別するのが困難なこともあります。

 

検査・診断

基本的には、頭痛や随伴症状などに関しての特徴を詳細に問診することをベースに診断されます。

病気を確定するための検査はありません。

しかし、頭蓋内病変(脳腫瘍)や目の病気(緑内障)、感染症(髄膜炎など)などによってて頭痛が発症することもあります。

身体診察や頭痛の性状、頭痛以外の症状などを総合的に加味したうえで、緊張型頭痛以外の病気が疑われるようであれば、

✓頭部CTやMRIなど画像検査(当院では他院依頼で撮影可能)

✓眼底検査や眼圧測定(目が痛む、目が見えずらいなどの症状があれば眼科でしてもらいましょう)

✓血液検査(当院可能)

など適宜疑われた病気に対して適切な検査を行い診断を行います。

 

治療

緊張型頭痛の治療は、ストレスのコントロールと薬物療法の2つが大きな柱になります。

ストレスが誘因となるため、心身の安静を保つことが発作を避けるためには重要です。

姿勢が悪い場合には正しい姿勢をとることを心がけ、長時間同じような姿勢をとることは避けましょう。

また、気分転換できる方法を見つけ、有酸素運動などで身体を動かしてゆくことが重要です。

首回りや頭の緊張をほぐすために、ストレッチを取り入れることも効果的です。

緊張型頭痛の痛みに対しては、鎮痛剤が使用されます。

そのほか、筋肉の緊張をほぐすための飲み薬などがあります。

慢性的に経過することもある病気なので、薬物療法に頼りすぎるのではなく、生活習慣の改善を見直し根本的な原因の是正を心がけることも大切です。

 

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