肥満と 無呼吸の関係
無呼吸が肥満を招いているのか、
肥満が無呼吸を真似ているのか?
無呼吸により食欲が増す
睡眠時無呼吸症候群は睡眠中の呼吸が乱れます。
イメージとしては睡眠中に首を絞められるような、ストレス環境となります。
皆さんも ストレス環境に置かれると食欲が増したこと経験はありませんか。
例えば人間関係でムシャクシャしたり、試験期間中や、夜勤をした翌日などです。
医療関係者に代表的なものとして、夜勤の終了後に、特に空腹感を感じたり、B級グルメを食べたくなることがあります。
という私も、当直の後に菓子パンを食べたくなったことがよくありました。
食欲に関連するホルモン
食欲を増加させるホルモンであるグレリンと、食欲を抑えるホルモンであるレプチンの分泌が関わっています。
主に胃で作られるグレリンは食欲を高めるホルモンで、食欲の体かした患者さんにこのホルモンを高める漢方薬を処方しています。
睡眠時無呼吸症候群で睡眠が阻害されるとグレリンが増えて食欲が増えます。
一方で食欲を下げるホルモンであるレプチンは脂肪細胞で作られています。
睡眠時無呼吸症候群によりレプチンが減って、食欲を抑えにくくなります。
寝不足のマウスは甘いものや味の濃いものを欲しがるという結果も報告されています。
無呼吸によって、運動不足となる
もう一つは運動不足です。
睡眠時無呼吸症候群により休息が不十分であると、昼間でもだるさが残ったり、疲労感を感じるようになります。
そうすると運動する意欲が湧かなくなり結果的に肥満が進んでしまうのです。
肥満によって、無呼吸が悪化する
睡眠時無呼吸症候群の原因には、骨格的な要因や鼻閉などもありますが、肥満は代表的な増悪因子です。
喉や舌に脂肪が増えることで、物理的な気道狭窄に繋がり、睡眠時無呼吸症候群が増悪します。
このように睡眠時無呼吸症候群が肥満を招き、肥満が睡眠時無呼吸症候群を増悪させて悪いスパイラルに入っている可能性があり、注意が必要です。
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医師 松島勇介
日本睡眠学会専門医
日本内科学会認定内科医
日本医師会認定産業医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
緩和ケア研修修了医