睡眠外来

CPAP 治療の効果や治療手順

CPAPとは持続陽圧呼吸法(CPAP):Continuous Positive Airway Pressureの頭文字をとってCPAPと呼ばれます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)のもっとも重要な治療法のひとつです。

鼻に装着したマスクから空気を送りこむことによって、ある一定の圧力を気道にかける方法です。
睡眠中に気道が塞がれるのを防ぎ、呼吸がスムーズにできるようになります。

CPAP治療の効果

CPAPの治療効果

CPAPの最大の効果は睡眠時無呼吸症候群の治療効果があることです。

さらに、睡眠時無呼吸症候群の症状を改善するだけでなく、高血圧などの生活習慣病のコントロール、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気に直結する動脈硬化の進行の予防などにも役立つことがわかっています。

ここではCPAPによる治療効果について紹介します。

CPAPの治療効果① QOL向上

CPAPの治療効果 QOLの向上

CPAP治療によって睡眠の質が向上すれば、睡眠時無呼吸症候群に伴う強い疲労感や日中の眠気、集中力や注意力の低下、夜間のトイレの回数が減るという改善が期待されます。

また、良質な睡眠により活動的になって仕事や趣味、社会生活に意欲が湧き生活の質(QOL)の向上が期待できます。

CPAPの治療効果② いびきの改善

CPAP治療を適切に行うことで、睡眠中の無呼吸状態やいびきが改善します。

睡眠時無呼吸症候群の大きないびきは同居するご家族の睡眠を妨げてしまうこともあり早期治療が必要です。
治療によってご家族の睡眠の質も改善することが期待できます。

自分のいびきの原因を確かめたい場合にはこちらの記事を参考にしてください。
いびきが大きい人必見!原因や治療法を徹底解説

CPAPの治療効果③ 睡眠時無呼吸症候群の治療

眠時無呼吸症候群は、大きないびきとともに睡眠中に呼吸が止まる病気です。

睡眠時無呼吸症候群の診断時に「重症度」が判定され、重症度は三段階  :  軽症、中等症、重症です。

「中等症」以上であり、

スクリーニング検査でAHI :40(1時間の無呼吸低呼吸が40回)以上

または精密検査でAHI :20(1時間の無呼吸低呼吸が20回)以上で

保険診療でのCPAP治療が適用となります。

CPAPの治療手順

それではCPAPはどのようにして治療を進めていくのか、治療手順について紹介していきます。

CPAP治療を具体的に知り、あなたが抱えている睡眠時無呼吸症候群やいびきの問題を解決しましょう。
CPAPの必要性と効果について説明します。

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CPAPの治療手順① 診察・検査

CPAP治療のファーストステップは診察と問診です。
患者さまに対して、いびきの状態や、昼間の自覚症状などをお聞きします。

その中で、いびきの重症度や治療の必要性を医師が判断します。

CPAP治療手順② 精密検査

診察・問診を終えたらスクリーニング検査、終夜睡眠ポリグラフ検査を実施します。

スクリーニング検査と終夜睡眠ポリグラフ検査により、睡眠の状態を可視化、測定していきます。

検査結果と問診によるいびき、睡眠時無呼吸症候群の状態からCPAPを適用するか判定します。

CPAPの治療手順③ 適切な機器の調整

CPAP治療を適用する場合、CPAPに必要なマスクを決定します。

実際に装置・マスクを装着しながら、患者さまに合ったものをつけていただきます。
マスクが合わない場合、適切な治療を進められず、治療効果が期待できなくなるためです。

最後に機器の取り扱い、生活指導等をお伝えします。

CPAPの治療手順④ ご自宅でCPAP装置

ご自宅で就寝の際にCPAP装置を使用します。
CPAPを使って寝ると、息苦しく感じたり寝つきが悪くなったりすることもありますので、慣れるまでは少しだけ治療継続が必要です。

どうしても耐え切れず、QOLが低下する場合には当院までご相談ください。

CPAPの治療手順⑤ 月1回の定期的な診察

CPAPの治療効果を確認するため、定期的な診察を受けていきます。

CPAP装置の使用状況やマスクの装着感、合併症、日常生活状況、血圧と体重などについて医師から問診を行います。

治療効果が認められる場合には、さらにいびきや睡眠時無呼吸症候群の症状が治まるまでCPAP治療を続けます。
CPAPによる治療効果がない場合、経過観察をしながら、別の治療を検討します。

CPAPの治療期間

CPAPに特別な治療期間を設けていません。

いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因が解消されるまでがひとつの目安となります。

症状が回復すればマウスピースなどの他の治療法を選択できる場合があります。

いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因は、気道が塞がっていることであり、根本から改善するためには気道が塞がる原因への対処が必要です。(※例えば肥満が原因の場合は、運動や食事などの生活習慣の改善)

様々な原因が重なって起こるため、おひとりおひとりに合わせて一つずつできることから始めていきましょう。

CPAP治療においての注意すべき副作用

治療自体には副作用はありませんが、のど・鼻の渇きや、マスクがフィットしないことによる痛みが生じることがあります。(室内が乾燥している場合には、のど・鼻が乾燥しやすくなります)

室内の湿度は平均的に40〜50%といわれています。

良質な睡眠のためにも加湿器を用いて50-60%に確保するなど湿度調節をして、睡眠に適した環境を整えましょう。

まとめ

CPAP治療

睡眠時無呼吸症候群は、痛みなどの自覚症状がなく、急いで治療しなくてもいいと思ってしまう病気の一つです。

しかし、多くの研究で高血圧や糖尿病などの生活習慣病への影響、日常生活への影響(日中の眠気による交通事故)と大変な影響が隠れています。

また、国土交通省からも注意喚起として発出されており、漫然運転や居眠り運転の原因として「睡眠時無呼吸症候群」は運転者の健康を維持するためにも早急に治療をしなければなりません。

参考:睡眠時無呼吸症候群による交通事故(国土交通省)

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