睡眠外来

命に関わるリスクも!睡眠時無呼吸症候群のセルフチェック

セルフチェックしてみよう

睡眠時無呼吸症候群をセルフチェックしてみよう

睡眠中の様子と日中の眠気に分けて、睡眠時無呼吸症候群をセルフチェックしてみましょう。

睡眠中の様子をセルフチェック

睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠中の大きないびきや途中で急に静かになったり、一時的に呼吸が止まるという特徴があります。

睡眠中に以下のようなことがないか、ご家族などに聞いてみましょう。

また、一人暮らしなどの場合はいびきの有無を録音したり、アプリを使うなどをして確認しましょう。

「いびきラボ」というアプリが個人的には使い勝手が良いです。 Iphone / Android

①毎晩のようにいびきをかく

 慢性的ないびきは、睡眠時無呼吸症候群の最も特徴的な症状です。

②寝ている間に呼吸が止まる、苦しそうな呼吸をしている事がある

 睡眠時無呼吸症候群では、いびきに続いて十秒~数十秒程度急にいびきが止まることがあります。

 このとき、呼吸が止まっている可能性があり、苦しくなるとあえぐような呼吸が無呼吸に続いて起こることがあります。

③睡眠時間は十分なはずなのに、朝起きたときに疲れや頭重感・疲れがある

 無呼吸により、睡眠の質が著しく低下するために起こります。

①~③の特徴、そしてメタボ傾向など、ひとつでも当てはまる場合には睡眠時無呼吸症候群を疑って検査を受けましょう。

日中の眠気をセルフチェック

「エプワース眠気尺度」という日中の眠気の程度を判定するチェックシートを使って、睡眠時無呼吸症候群の可能性を確認しましょう。

 日中の眠気チェック項目 ほとんど 眠る しばしば 眠る たまに 眠る ほとんど 眠らない
 座って読書をしているとき3210
 テレビを見ているとき3210
 人の大勢いる場所(例えば会議や劇場など)で 座っているとき3210
 乗客として1時間続けて自動車に乗っているとき3210
 午後に横になって休憩をとっているとき3210
 座って人と話をしているとき3210
 アルコールを飲まずに昼食をとった後、 静かに座っているとき3210
 自動車を運転中に、 信号や交通渋滞などにより数分間止まったとき3210
 合計

合計が
0~5点:日中の眠気は少ない
5~10点:日中軽度の眠気あり
11~15点:日中の強い眠気あり

11点以上だと、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると言われています。
10点以下でも、いびきなど睡眠中の問題や肥満などが当てはまる場合には受診しましょう。

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睡眠時無呼吸症候群による体への影響

睡眠時無呼吸症候群の定義は、「睡眠中に10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上起こる(または、7時間の睡眠で10秒以上の呼吸停止が30回以上起こる)」ことです。

しかし、日中の眠気はあっても体への負担は自分で気づきにくく、気づかないうちに命に関わる合併症や事故にまで進んでしまう可能性があります。

睡眠中の無呼吸が続くことでの体への負担

睡眠時無呼吸症候群では、一晩に何度も低酸素・無酸素状態を繰り返し睡眠の質が著しく低下するため、それらのストレスによって以下のような病気を引き起こします。

高血圧

・糖尿病

脂質異常症

また、これらの病気が続くことで血管がダメージを受け硬くなっていく「動脈硬化」が進行します。

肥満などにより元々高血圧などの症状があると、睡眠時無呼吸症候群によって血管へのダメージはより大きくなり、動脈硬化は悪化しやすくなります。

一番怖いのは合併症

睡眠時無呼吸症候群で一番怖いのは、合併症です。

高血圧などから動脈硬化が進むことで、命に関わる病気を発症することがあります。

心臓の血管に異常が現れば狭心症や心筋梗塞に、脳の血管ならば脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)などが起こります。脳卒中では、命は助かっても半身麻痺や言語障害などの重篤な後遺症が残ることも少なくありません。

また、1時間に20回程度の無呼吸を5年放置すると、睡眠時無呼吸症候群の患者100人中37人が死亡するという報告もあります。冒頭の睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックを行い、気になることがあったらまずは受診することが大切です。

睡眠時無呼吸症候群の可能性がありそうなら早期の受診が重要です

睡眠時無呼吸症候群は治療可能な病気です。「もしかして」と思ったら早期に受診し治療を開始することで、合併症を予防できます。

睡眠時無呼吸症候群の検査

睡眠時無呼吸症候群の主な検査には、①簡易検査と②精密検査があります。

①簡易検査

自宅で使える検査機器を病院や診療所から借り、自宅で普段通りに寝ながら受けられる検査です。

具体的には、鼻の下と指にセンサーをつけ寝ている間の無呼吸の回数や血中酸素の状態を調べます。

無呼吸の回数から睡眠時無呼吸症候群の重症度を判断できます。簡易検査で問題がなければ検査は終了です。

睡眠中の無呼吸があると判定された場合は、精密検査を受けます。

② 精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)

精密検査をすることで、無呼吸の有無や回数だけでなく脳波から睡眠・呼吸の「質」を総合的に解析することができます。入院での検査が一般的でしたが、近年では病院によっては機器を貸し出し自宅で受けられるようになりました。たくさんのセンサーを頭や顔、体に取り付けますが、痛みは無くそのまま一晩眠るだけです。

睡眠時無呼吸症候群の治療

検査で睡眠時無呼吸症候群の診断がついたら、いよいよ治療が始まります。

主な治療は、①マウスピースによる治療、②CPAP療法、原因によっては③外科的手術が選択されることもあります。

① マウスピースによる治療

患者さんの口にピッタリ合った専用のマウスピースを作ります。

寝ている間に装着して下あごを4〜10ミリ程度前に出した状態で固定し、舌の付け根が落ち込んで気道を塞いでしまうことを予防します。

簡単に治療できますが、重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんには効果が少ないことがデメリットです。

② CPAP療法

睡眠時無呼吸症候群の中心的な確率された治療です。

CPAP装置を自宅の寝室に設置して、CPAP装置に繋がったマスクを鼻に装着して寝ます。

睡眠中に一定の圧で空気を送り込むことで、気道が塞がることを予防します。

慣れないうちは違和感もあるかもしれませんが、CPAP療法は睡眠時無呼吸症候群による心筋梗塞や脳卒中などの重篤な合併症の発症率を大幅に下げる効果が報告されている重要な治療法です。

③外科的手術

軟口蓋や口蓋垂、その他には小児ではアデノイドや、大人になってからも扁桃肥大があり気道が狭くなっている場合には、外科的な手術によりこれらを摘出することで空気の通りが良くなり睡眠時無呼吸症候群が改善することがあります。

以上の3種類が睡眠時無呼吸症候群の主な治療方法ですが、このほかにも肥満である場合にはダイエットや、高血圧などの生活習慣病がある場合にはそれらの治療も並行して行うことがあります。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は自覚しづらい疾患である一方で、合併症や事故などが起きたときには命に関わる可能性がある怖い病気です。しかも、その症状はいびきや眠気など、重大な疾患に繋がるとは想像しづらいものが多くあります。

セルフチェックで普段の睡眠や日中の眠気を丁寧に振り返り、気になる点があれば検査を受けることが大切です。セルフチェックで睡眠時無呼吸症候群の可能性に気づき、検査や必要な治療を受けることで自分自身や大切な家族の健康を守りましょう。

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