睡眠の知識

睡眠に大切な3つのホルモン

 睡眠に関係するホルモンとして代表的なものが三つあります。

メラトニン成長ホルモンコルチゾールです。

メラトニン 眠りの土台作り 

起床後の約15時間に分泌がはじまり、その後2~3時間で最も分泌されます。朝7時に起きたとすると夜10時ごろに分泌が始まり、夜12時頃にすーっと眠れるようになります。

ただメラトニンは目から入る光を網膜で受け止め、脳内に光信号が届くことで分泌が抑制されてしまいます。起床後に、太陽の光などの明るい光を浴びることでメラトニンを止めることは睡眠と覚醒のリズムを保つためには重要ですが、入眠前にスマホなどのブルーライトを見ていると寝つきや睡眠の質に悪影響を及ぼしてしまいます。

メラトニンには抗酸化作用がある事が分かっています。昼夜逆転の生活や交代制勤務の方は、分泌が抑制されて、身体の酸化が進みやすく、ガンや老化のリスクが高まります。

交代制勤務の方は日勤者に比べて、乳がんや前立腺がんの発症が多いことが報告されています。

メラトニンが正常に分泌される環境を整えることはとても重要なのです。

成長ホルモン 身体の新陳代謝

次に、脳の下垂体から分泌される成長ホルモンです。

成長ホルモンは、新陳代謝を助けるために分泌されていると考えられています。筋骨格系を成長させたり、免疫力を高めたり、細胞の新陳代謝を促したり、とても重要なホルモンです。

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、成長ホルモンが分泌されるのは、深睡眠ステージ3です。

入眠してから約30~60分程度が開始されて、最初の深睡眠の時に全体の約70%が分泌されるといわれています。

子供が夜間に手足の痛みで起きてしまう成長痛の原因は、この成長ホルモンの分泌ではないかと言われています。

 コルチゾール 覚醒への準備

最後に、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)は、起床の2時間ほど前から増加するホルモンです。

起きてからすぐに動けるように血糖値や血圧、代謝を高めて活動を開始する準備をしています。

面白いことに、起きる時刻を決めて目覚まし時計をセットするだけで、起床時刻の約2時間前から増加することが分かっています。

これは就寝前に決めた眠る時刻を、就寝中も脳が認知し起こる現象で、サプライズで早く起こしてしまうとコルチゾールの分泌は起こりません。このコルチゾールの分泌が少ない中で覚醒するのはとても辛いです。

潜在意識に起床時刻がインプットされるだけで、適切な時刻にホルモン分泌が起こるのです。

良質な睡眠のために一番大切なのものは

睡眠で悩まれる方は沢山おられます。

寝付けない、途中で起きる、夢を沢山見る、睡眠が浅いなどが代表的なものでしょうか。

そこで考えていただきたいのは、良質な睡眠をとるためには、睡眠のコインの裏側である覚醒を良質にすることが大切なのです。

その中でも一番大切なのは、光と運動です。

毎日屋外の光をしっかりと眼から吸収して、適度に運動を行う。

ランニングが難しければウォーキングで良いです。目安は8,000歩です。

 覚醒中の、光と運動によって、質を高めることが、最終的にはよい睡眠に繋がるのです。

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